Aloha Knowledge_Vol.2

Vol.2_Uniki– ウニキ

7/25/2019

Written  by  Leila Leihuluonalani Fernandez

執筆 レイラ レイフルオナラニ フェルナンデス

日本語訳 松村 めぐみ

7/25/2019

Uniki – ウニキ

 

ハワイ王国最後の国王カラカウア王(David Kalakaua)が、踊ることを禁止され消滅しそうになっていたフラを再び人々が踊り歌い継承していくことを解禁、奨励したことは、今日国境を越えフラを踊るすべての人々にとってこの上ない素晴らしい出来事でした。フラは我々のDNAに組み込まれた消し去れないもの、だから私たちはフラに惹かれ踊り続けるのだと思います。

 

Kumu/先生にとってフラとはなんなのでしょう。それは伝統を次世代に受け継いでいくことの出来る文化芸能です。我々Kumu Hula /フラの先生は皆様々なフラ流派から来ています。その流派を通して私たちは長きに渡り伝えられてきたOli /歌、Hula/踊り、Mo’olelo/伝説等を学びます。クムフラならば最大の責務はそのフラを守護人として守っていくことだと私は考えます。長年変らずその形を守り、人から人に踊り伝え続けられてきたフラを先人達が今度はあなたに託してくれたのです。

 

今回は私のウニキに対する考えと私自身が通ったウニキへの道のりを少し皆様にお話したいと思います。私はウニキ課程が始まった当初にクムから特に踊りの型、振り付けを覚えるという役割を与えられました。踊りと振り付けの記憶は私のもっとも得意とする分野です。クムは私の特技を生かし、他の生徒の踊りの面での助けとなることを指示したのです。ウニキ課程の中で他のフラシスターの中には素晴らしい歌声を持つ人もいましたし、ハワイ語に特に長けているシスターもいました。それぞれが得意分野で仲間を助け、一人ではなく仲間と一緒にウニキへの道のりを歩みました。仲間がいるというのは素晴らしいことです。そこで仲間のシスターやフラブラザーとの絆を深め、次に進んでいきます。

 

一般にフラでは2つのタイプで「卒業」もしくは「修了」の形があると云われています。一つ目はHaumana /生徒から ‘olapa/ダンサーへ。もう一つはUnikiをする。つまりクムフラになる道のりです。二つ目のウニキは長期に渡るプロセスで、その時間と努力は非常に価値をもったものとなります。

Uniki/ウニキという言葉は何を意味するのでしょう。ウニキとはフラでは「卒業」という意味です。ウニキをするということは、今後あなたはフラを教えることが許され、正式にクムフラ(フラの先生)と呼ばれるということです。

人によってはフラでウニキすること自体を最大、最終目標としている人もいます。私にとってのウニキは、今後正式にフラを教えることが出来るようになるスタート地点、次のステージに行くためのプロセスであると感じています。ウニキの課程を経てクムになることはハワイ人としての私の責務のように感じていました。しかしながらウニキをした後も学び続けなければいない事柄は、まだまだ山のようにあります。特にハワイ語の勉強は生涯を通して勤しまなければいけない私の課題だと自覚しています。大切なのは学ぶことをやめないことです。

私をここまで導いてくれたのは、2人のクムに巡り合えたためといっても過言ではありません。運命的なめぐり合わせもあるとも思いますが、同時に自分のクムとして師事する人は細心の注意を払って選びました。有名である、人気があるからという基準で選ぶことは避け、クムの知識と造詣の深さを基準に選びました。二人ともそれぞれの道で秀でた才能をもち、強いLineage/流派の流れを汲んでいます。ともにハワイ語を流暢に話し、大きな愛と優しさをもってフラを教えているクム達です。そして、彼らはともに深い思いやりの心―Compassionateをもっており、それが、私が彼らを尊敬する第一の理由です。

クムがあなたを“クム”という人物になることを教えるわけではありません。あなた自身が自分の才能と技術をどのようにフラのために使っていくかを考えなくてはいけないのです。たとえ皆が心酔するような偉大なクムの下でトレーニングを受けてもそこで何を学び、そこからさらに自分自身で一歩先に進み自分だけの何かを形作っていけるか!はあなた次第です。そのような場を与えられるクム、ひいてはハーラウが良いハーラウであると私は考えています。

クムを選ぶ時、あなたが何をそのクムから学びたいのか、あなた自身のハーラウをどこに導きたいのか。実質的なレベルで考えるとコンペ出場が目的か、もしくは純粋にフラを楽しむ事を教えたいのか、それによって選ぶべきクムも違ってくるものです。

私はカヒコ(古典)を重点的に学ぶことを希望していました。カヒコはハワイの文化、言語の基礎に位置するものだからです。一人目のクムはとても伝統的なクムであるという理由で師事しました。昔ながらの踊り方、振り付けを忠実に守り、新らしい変化を取り入れないフラスタイルです。同時にそれら伝授された事柄をむやみやたらに教え伝えることを禁止されました。自分が選んだ少人数の踊り手に原型を保ったまま伝えていくというスタイルです。

 

ウニキのプロセス

ウニキのために歌や踊りを勉強する時間は大学の学位をとるために勉強する事と似ています。

以下が私が経験したウニキをするための必要条件でした。クムによってそれぞれやり方が違うことを覚えておいてくださいね。

まず初めにベーシックステップとその名前です。ステップの名前はハーラウによって多少違うことがあります。例えばKweluKalakauaと呼ばれることもあります。

自分のステップのスタイルも変えなければいけませんでした。もともと私は‘Uwehehelaは足をVの字に開いて踏む踊り方を習いました。しかしながら私のクムのスタイルは足を平行において膝を前に出します。今はこのスタイルをとっても女性らしいと感じて気に入っています。

次にフラの定番と言われる曲をすべて覚えていないといけません。カヒコではKwika,Ula Noweo, Lili u E, Kaulilua. アウアナ(現代)でしたらKa Ulu  wehi o ke kai, Papaline Lahilahi, Noho Paipai (ゆり椅子の歌) 等ほんの一例ですが、ウニキプロセスの中では多くの踊りを記憶しなければいけません。

それに伴いフラ楽器のマスターです。Kala’au, ‘uli ‘uli, puili, ‘ili‘ili そしてipu.  またすべてのステップのビートをイプヘケで叩けること。加えて‘ulili, papa hehi, Pahu drum そしてpuniuの習得を条件にするクムもいます。しかしこれらはすべてのクムが取り入れているわけではありません。またこれらの楽器はウニキを受けた後にクムから徐々に習っていくという場合もあります。Pahu―パフドラムはもともと神聖な儀式で使用されていた理由からハワイ諸島以外の土地で教えることは禁じられています。その為、パフドラムを習得したい場合は、ハワイを訪れてその土地で習えばよいのですよ。

踊りのほかには、Leihulu(鳥の羽を使用したレイ)、貝殻のレイ等の装飾品の作り方、ハワイ語の学習、定番Oli/chant、及びリネージ(血統or流派)に伝わるOli/Chantの習得です。またMo’olelo/神話の学習もありました。当初私は踊りを習うことに一番の重きを置いていましたが、すぐに踊りにとって神話や歌を学ぶことがいかに大切であるかに気付きました。今では私の故クムがまだ生きていれば思うことがよくあります。彼の足元に座り、神話や物語の細部まで聞き落さないように聞き入ると思います。クムが逝ってしまった今、彼の記憶も知識も他に伝えていなかったものはすべて一緒に消えてしまいました。ハワイ人は物語を語るのが大好きです。チャンスが来たらその機会を逃さないようにしっかり聞き入ってください。

現在、ハワイ文化復興運動が盛んになりましたが、失われかけたハワイの文化をしっかりと学ぶことはウニキプロセスの一つでもあります。カロ(タロ芋)畑での作業手伝い、王室の歴史を学び、神話に出てくる場所を訪れ、そこの神々を訪れる。

観光客としてではなく、フラを学ぶ踊り手としてハワイを訪れる機会を作ることはとても大切なことだと思います。私はハワイの外に位置する自分のハーラウでフラを学ぶ旅としてハワイに連れていきました。ハワイ島キラウェアでペレに踊りを捧げ、様々な植物や昔から伝わるその用途について学び、古代から続く漁業法を知り、オアフ島では王族、貴族について学ぶ時間を持ちました。この学びの旅の後、ダンサーとして皆飛躍的に成長したことは明らかでした。感情を込めてハワイの風をまとって、歴史を背景に踊り始めました。この旅で私自身もクムとして大きく成長したということも素晴らしい収穫でした。

ウニキプロセスでは歌の意味を理解し、それを踊りで体現することの重要性が説かれます。歌詞のKaona/隠くされた意味、メッセージを動きで表現することは出来なくとも顔の表情で多くのことを伝えることが出来ます。クムの役割は歌の意味を正しく理解しそれを表現できるように導くことです。その為には基本的なハワイ語の知識も不可欠となっていきます。

 

ウニキのその後

ウニキをされた後は、正式にフラを教えるHālau/教室を開くことが出来ます。ウニキを受けたクムから祝福され、そのクムから引き続き教えを受け、自分の教室でそのクムにレッスンをしていただくこともあります。

上記の流れは一般的なウニキのプロセスですが、皆が同じ道を通るわけではありません。伝統的なウニキのプロセスを通ってはいないけれども地域、フラコンペティション等で大きな貢献をしている素晴らしいクムもいます。私の大好きなハーラウの一つのクムは才能にあふれ、ウニキプロセスは通りませんでしたが、フラ界の多くの人々を魅了し、素晴らしいフラを伝えているハーラウを運営しています。また、クムの家族、子供もしくは長くハーラウに所属しAlaka’i/リーダーとなった踊り手がハーラウを譲り受け、そのハーラウでクムになる道もあります。

もし、あなたが尊敬している特定のクムがいて、その人からウニキを受けたいと考えていらっしゃるのであれば、ぜひ連絡をしてみてください。それぞれクムの事情により返答は違うとは思いますが挑戦してみる価値はあります。メリーモナークに出場をしない選択をしているクムの中にも素晴らしいクムはいます。また日本に教えに行かない、もしくはハワイの外で教えていないクムの中にも尊敬すべきクムがたくさんいます。あなたがハワイに行くか、クムがあなたのもとに来て教えてくれるか、かたちは様々でしょう。

私には二人の子供がいますが、どちらか一人にはフラを教えてほしいと願っています。イプヘケとパフドラムに触れ古代から伝わるMana/神秘的なパワーを感じ取ってもらえれば幸せです。私がクムから習った踊りを次の世代につないでいく姿を見届け、そうして踊りが存続、生き続けていく様子を見守りたいと思っています。 

 

この場を借りてフラの保存、繁栄のために日々邁進、努力されているハワイ内外にいる全てのクム/先生に敬意を表したいと思います。この踊りを継承していくことに人生を捧げる決断をされたという事に心より頭が下がります。フラがあなたとあなたの生徒の方々に多くの喜びをもたらすことを願っています。私個人としては、フラのない人生は考えられません。教える生徒たちがいることにまず感謝します。生徒がいなければ先人から習ったことを誰にも伝えることが出来ないのですから。

 

さあ、皆さんフラでつながったこのご縁で一緒に学び、お互いに教えあって、思いやり深いフラコミュニティーを共に作っていきましょう。Let’s Hula!

 

レイラ レイフルオナラニ フェルナンデス

Leila Leihuluonalani Fernandez