Aloha Knowledge_Vol.3

Vol.3_ Maunakea マウナケア

7/25/2019

Written  by  Leila Leihuluonalani Fernandez

執筆 レイラ レイフルオナラニ フェルナンデス

日本語訳 松村 めぐみ

ハワイの人々にとってこの山はどのようなものなのでしょう。何を信じているのでしょう。

私たちはマウナケア山はハワイの中でもっとも神聖な場所の一つであると信じています。マウナケアのという名前は父なる空、宇宙に広がる空間の神ワケア神  Wakeaから来ています。ハワイの神話では、大空の父ワケアWakeaと大地の母パパハナモクPapahanamokuが結ばれ、この二人がハワイを導いた歴代王族指導者たちの祖先であるとされています。

 

古くから伝わる伝統ではハワイの統治者のみが祖先が眠るその山頂に上ることが許されていました。また、Mo’olelo/神話では雪の女神ポリアフがこのマウナケア山頂に住むと信じられています。

現在この山にTMTプロジェクトは口径30Mの超大型望遠鏡を建設しようとしています。ハワイの人々はこの建設は大地に大きな影響を及ぼすと考えています。汚染水の排出、史跡の破壊、有毒物質の放出、希少植物およびPohaku/岩の損傷の可能性などが考えられます。

 

ジェイソン・モモア(俳優)、ザ・ロックことドウェイン・ジョンソン(俳優)や、ジャネット・ジャクソン(歌手)ら著名人による全面的なマウナケア保護の支援はとても心強いことです。ジャネットはハワイで数回コンサートを終えたばかりで、コンサート中はKia’i/マウナケアの保護者、活動家達にステージ上で彼らのメッセージを伝える場を提供し、ツアー中は彼らの写真を舞台上に掲げていました。

 

マウナケア山に行くと、そこは心温まる親切な人々であふれています。山の上では傍観者はおらず皆が参加者です。Protocolプロトコルと呼ばれるセレモニーが13回行われ、Pule /祈り、oli / チャントそして踊りと共に様々な儀式が進められ、 Ho'okupu /贈り物を差し出す儀式は、クプナ/高齢者に捧げられます。贈り物は歌、踊り、感謝の言葉、詩、自分のビジョンや夢を語る等、様々な形のものがあります。

 

週末には、ハワイアンコミュニティ内の著名人による数多くのクラスが山で開催されます。マウナケアについて、ハワイの歴史、歌、踊り、O’lelo Hawaii/ハワイ語など様々な内容がすべて無料で教えられています。これらのクラスは、Kanaka Maoli/ネイティブハワイアンだけでなく、マウナ(マウナケア山の略称)と私たちの文化についての知識を求めるすべての人を対象としています。

 

 Kia’i /保護者、プロテクターは、Kapu Aloha/カプ・アロハの精神のもと、私たちの活動のあるべき姿を示してくれるリーダー達です。 Kia達はハワイ大学の教授陣、ハワイの文化人、クムフラなどの人々で構成されています。また、自分の有給休暇を使って診療所で働く看護師らもいます。皆が進んで自分の時間や技術を無料提供し、誰もがこの歴史的プロセスに参加することに喜びを感じていると言えます。この活動はハワイ人やハワイの地元住民だけのものではありません。ハワイを愛しその文化のことを知りたいと思うすべての人々とこの体験を共有することが望まれています。

 

ハワイの人々は自分たち祖先の土地を思惑とは違った形で利用されることに関して、“もういい加減にしてくれ”という思いでいるのだと思います。カナカ・マオリ(原住民)やその賛同者たちは“抗議”運動を続けていますが、大切なのは常にKapu  Aloha/カプアロハの精神でその運動を行っているということです。カプアロハの意味を定義するのは、それだけで一つの記事が書けるほど、とても難しいものです。尊厳、尊敬、愛、優しさと言う言葉で表す人もいます。TMT建設反対運動には憎悪の言葉や嫌悪の行動・行為はありません。カプアロハが活動の指針となっているのです。これがマウナでの運動を他の抗議活動とは異なるユニークなものにしている理由だと思います。人々は愛をこめてそして愛を通して抗議を行っていると言えます。

 

マウナでは、13回の儀式/プロトコルが非常に重要な活動の根幹となっています。 この儀式を通してKAPU ALOHAの考え方を学んでいきます。

私はマウナでブラジルの熱帯雨林から来たという若い女性に出会いました。夢の中で自分自身がハワイの年長者の前に立っているビジョンを見たので、マウナに実際に来るべきだという思いに尽き動かされハワイまで来たと話してくれました。わざわざ遠い国からマウナケア山と長老達に敬意を払いに来た彼女の話に私は深く感銘を受けました。

 

マウナで感情的、感傷的にならないようにするのは非常に難しいです。様々な人々がそれぞれの理由で山にやってきます。理由は皆異なりますが、どれも他とは比べることは出来ずどれも尊い理由で心打たれるものばかりです。またマウナにいると、自身について学ぶ機会も多くあります。私は自らに流れるハワイの血をもっと大切にしなければいけないことを学びました。自分の祖先、源流について出来るだけのことを学ぶということがいかに大切かということを肌身で感じました。

 

大人はmoopuna / 孫とna keiki / 子供たちにとって良い例、先駆者とならなければいけません。守るべきものを守る大人の姿を見た子供たちは、また自分たちが大きくなった時に同じ価値観と行動力を見せてくれることと思います。言葉ではなく、行動で子供たちに大切なものは何であるかを教え伝えないといけないと思います。

 

私はこの抗議運動が始まってからマウナに2回行きました。初めての訪問では2人の子供を連れて行き、同じ信念を持つ人たちの中に身を置く体験をしてもらいたいと思いました。

 

この訪問では子どもたちの目を通して、チャントを聞き、踊りを見、子供たちと興奮を分かち合うことができました。娘が私に踊ってほしいと頼んだ時は、立ち上がって踊りの輪の中に参加しました。一つの共通目的のために踊る。ひとつの心、ひとつの魂、一丸となって踊る体験は格別でした。

 

その後静かに子供たちに、今何が起こっているのか理解しているかと尋ねたところKe Kula 'O Samuel Kamakauと呼ばれるハワイのイマージョンスクールに通っている彼らはすでに十分状況を理解していました。子供たちが未来を背負っている世代であること、そして私たち全員が、私たちの土地に対して、Kuleana/責任があると彼らに伝えました。

 

私は溶岩の上で子供たちが遊び、そして共にプロトコルに参加する姿をまぶしい思いで眺めていました。彼らがマウナでのこの思い出を長く心にとどめておいてくれることを願っています。

 

2回目の旅行は、私のhaumana/生徒であるLittle Sophie・ちびっこソフィを連れて行きました。彼女は8歳から私の下でフラを踊り、現在はもう17歳です。もはやちびっ子ソフィーではなく、美しい成熟した女性となり私の誇りでもあります。

 

山で様々なことを吸収していく彼女を見るのは大変面白かったです。私の娘とはまた全く違った目線でした。彼女はダンサーの表情、表現の豊かさを目の当たりにして驚き、人が全身全霊を込めてフラを踊る姿に初めて直に触れたようでした。ダンサーが自分の全て、感情と心の全てを踊りに込めて人々に見せる姿を見ることができたのです。

 

私の中での旅のハイライトは最終日でした。最後にもう一目マウナを見ようと、オアフ島に戻るフライトに乗る前、急いでマウナに向かいました。山に着くと、プロトコルが今に開始されようとしていました。冷たい雨が降っていたため、 Kia’i -kupuna / 保護者長老の1人である私の叔父が私たちをテントの中に招き入れてくれようとしていたちょうどその時、音楽が始まりプロトコルが始まってしまいました。テントに入りそびれた私たちはその場で冷たい雨に打たれながら踊りに加わることとなりました。寒さと雨、パフ太鼓の鼓動とチャントが響き渡るマウナケア山、その中で捧げる踊りは深く心に残る神秘的な体験となったのでした。

 

ハワイの人々にとって文化と伝統の保守は現在の最重要課題だと思います。 moolelo / 神話も同様に重要です。

今日 世界中の先住民たちの間でリバイバル運動が起こっているように感じます。ハワイ人だけではありません。オーストラリアでは先住民のヌーンガー人が政府に与えられた精神的ダメージに抗議し、アマゾン熱帯雨林の先住民族らは自らの生存のための闘争を展開しています。

一部の人だけのための利益ではなく、すべての人々の生活向上のために、みんなで一緒に手を取り合って進むことを願ってやみません。

ハワイも一丸となって立ち上がれますよう!

 

私は近々またマウナに戻る予定です。この記事がきっかけとなって皆さんも是非マウナを訪れ、そこで刺激を受けたくさんのことを吸収してくださることができればこの上なく嬉しいです。

いつもマウナにいることはできませんが、私の心は常にマウナの人々とともにあります!

 

He Aloha EAloha Hawaii)の歌を口ずさんでください。一人でそして、家族やフラシスター達と共に歌い続けてください。

 

では、A ‘oia! 今日はここまでです。

どうもありがとうございました。

 

Mahalo,

Kumu Leila Leihuluonalani Fernandez